3月度その12:地球磁極の不思議シリーズ➡地球コア表面の流れを考察しよう!
地球磁極の不思議シリーズ➡地球コア表面の流れを考察しよう!
本サイトのタイトルは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、地磁気に関しましては定期的な更新対象にはしておりませんでした、理由は、定期的な記事とするには難しすぎたからです
そこでナントカ定期更新可能なテーマを見つけたい、と現在四苦八苦しております
そのような中で前回記事、
「3月度その11:地球磁極の不思議シリーズ➡地球コア外核の動きとは?驚愕の結果が二つ! - なぜ地球磁極は逆転するのか?」
をアップし、地球コア表面の磁場強度分布と地球コア表面の流速分布を示しました
ここで特に流速分布に関して考察しましたので、ご報告です
お付き合い頂ければ幸いです
地学雑誌114(2) 132-141 2005「地球磁場から推定されるコアの流体運動」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/114/2/114_2_132/_pdf
東京工業大学地球惑星科学・松島政貴さん論文からの抜粋です
以下の図1が、2000年におけるコア表面における地球磁場動径成分の分布である
Orsted主磁場永年変化モデル(Orsted Main and Secular Variation Modelと称されるモデル)である
図1:2000年におけるコア表面における地球磁場動径成分の分布
等値線の間隔は100μTであり,実線が正,破線が負を表す.グレイスケールは磁場強度を表す
図1には(図2にも)、2000年における磁北極と磁南極と2020年におけるカナダ東部とバイカル湖北部の強いS極特性を示す位置が示してある
コア表面の磁場強度の移動から、コア表面流体の流れが算出でき、
図2:2000年におけるコア表面の流れ(Matsushimaの方法1995による)
最大速度は27.7km/年である、としている
考察:
1.図2のコア表面の流れを見ると、特にアフリカ南部から南米に渡って西向きの流れが見て取れる、最大27.7km/年の流速もこの辺りで観測される
2.ここで西向き(右から左)とは何か?を考えてみる、地球は東向き(左から右)に向かって回転している、従って地球表面の回転方向につられてコア表面も回転しているのだが、地球表面の回転速度には追いつかず遅れが出る、この遅れが西向き(反対向き)に最大27.7km/年と出るのである
3.図2は地球表面から見た図であり、地球表面は高速に回転しているのだが、それが静止しているとしてマップを取ると、西向きの流れが遅延として現れているのである、加えて、図2を見ると一様に西向きに流れている訳ではなく、循環しているように見える
4.ここで太陽表面における磁場の凍結と、その流れを考えてみると、それは太陽赤道から北と南に向かって凍結した磁場が流れてゆくのである(ベルナール対流現象)、こうして太陽の場合は磁北極と磁南極に凍結した磁場が流れ着き、この時の凍結した磁場の磁性はその時の磁極と特性と逆となっており磁極を反転させるのである、11年単位で
5.地球コア表面の流れを見ると、南北方向への流れは強くは見えないので、太陽の磁極反転とは異なるメカニズムであろう、と思われます
以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました
感謝です