8月度その14:世界の北方磁場強度シリーズ➡柿岡KAKで用いるfoF2とTECを、もう少し!
世界の北方磁場強度シリーズ➡柿岡KAKで用いるfoF2とTECを、もう少し!
日本の柿岡KAKの北方磁場強度変動では、電離圏のfoF2やTECグラフといった用語が出て来ます
宇宙の徒然を語り、最近は宇宙クイズまでテリトリーを広げているブロガー「まさき りお(id:ballooon)さん」から直前記事へのコメント:
「日本のfoF2とTECグラフ」、、、何のことだったか忘れています(^^;)
を頂き、これはチョットまずい、やはり専門用語が障壁になって理解が進まない、という事はよくあり、もう少し説明を加える責任がある! という訳で、、、
お付き合い頂ければ幸いです
地表の磁場強度マップ2020年は:
ESAより地球全体を示せば、
IGRF-13より北極サイドを示せば、
当ブログの磁極逆転モデルは:
1.地球は磁気双極子(棒磁石)による巨大な1ビット・メモリーである、地球内核は単結晶の固体鉄であって永久磁石として磁場方向を記憶している
2.この1ビット・メモリーは書き換え可能、外核液体鉄は鉄イオンと電子の乱流プラズマ状態であり、磁力線の凍結が生じ、磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で偶然に充分なエネルギーに達した時に書き換わる
[世界初!地球中心部の超高圧高温状態を実現 ~ようやく手が届いた地球コア~ — SPring-8 Web Site] さんの図に説明追加させて頂ければ:
3.従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり予測不可でカオスである
当ブログの磁気圏モデルは:
極地電離圏における磁力線形状として:
地磁気方向定義とは:
電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより:
まず [電離層(Ionosphere)について解説] より:
大気圏には窒素や酸素などの気体があり、上空では太陽からの光線や宇宙線が飛んできて大気圏の上層部で気体を分解したり、電離したりするのですが、飛んでくる粒子などのエネルギーと大気の密度の違いによって、イオンと電子の密度が異なり、それが層状になっていて、これを電離層とよんでいます。
現在は電離圏と呼ぶ場合もあり、本ブログでは磁気圏とバランスを取って電離圏と称することにしました、が、電離層の事です
電離層は高度約80kmから500kmの間に存在し、電子密度の違いによって、下から順にD層(80km)、E層(100-120km)、F1層(170-230km)、F2層(200-500km)の4つに分けられ、上層に行くほど電子密度は高く、下層は電子密度が低く、
バンアレン帯も外帯は電子の構成でした、何かあるんでしょうか?
夜間は太陽からの宇宙線が届かないため、電子密度は小さくなります。
要するに昼と夜とでは電子密度は異なり、生成される電子層も異なる事になります
この図は昼間の図と思われます、上図赤で示される電子密度(個/cm3)ですが、これは地上からのパルス放射と反射するか否かを観測する事により得られます、この測定をF2層の臨界周波数foF2観測と言います
foF2は、[電離層垂直観測 - 電離圏観測について - 南極昭和基地における電離圏観測] より、電離層は低周波電波(低いMHz)を反射する性質があるので:
周波数を上げてゆけばどこかで貫通します
この臨界周波数がfoF2(frequency of F2)であって、F2層の通過周波数MHzが観測できます
あらかじめ周波数MHzと電子密度の相関グラフが分かっていれば、foF2を測定する事により上空の電子密度が分かる、という事になります
イオノグラムは周波数を高周波側へスイープして放射するパルスの、反射パルス遅延を横軸時間で測定する事により得られるグラフで、各電離層の上空位置が分かります
一方、
によれば、高度2万kmにあるGPS衛星と地表との間の全電子数が分かる➡平均密度に換算して表示する(TECとはTotal Electron Contents)
電波の遅延は空間の誘電率に依存し、誘電率は電子密度で決定されるから、ある周波数の電波の遅延測定値と真空中の遅延計算値を比較すれば誘電率が分かるが、そんな計算をしなくてもL1とL2の2電波を使って測定すれば共通項が消去されて媒体の誘電率が分かる➡経路空間の電子密度が分かる(という事だと思います)
いずれにせよ両者の違いは:
1.foF2では上空の最大電子密度が分かる
2.TECでは経路全体の電子密度が分かる
3.foF2方式ではパルス応答遅延から各電離層までの高さが分かり、これはTECでは分からない
という事になります
ここで、先日の:
イオノゾンデによる日本上空のfoF2
GPSによる日本上空の全電子密度
ですが、
私は特にTEC値がJST9時頃にミニマル(底を出す、という意味で、最小値でなくてもよい、最小値はミニマム!)を示す点に着目しています
柿岡KAKではJST9時台〜10時台頃に高い確率でその日の北方磁場強度最小値が観測され、その時、日本上空のTEC値は上昇から下降に転じてミニマルを示し、その後再びTEC値は上昇する、と言える⬅ここまでは観測事実だから正しい!
では、何故、TEC値が下がった時に北方磁場強度はその日の最小値を示すのだろうか?
⬆これを追う事になります
電離圏は:
と、でも昼間でも500km程度の高さ大きさで、GPS衛星の高さ20,000kmで充分カバーされてしまうのです
しかし磁気圏は:
と、これだけの大きさです(両図で地球の大きさを比べてみて下さい)
そうして、柿岡KAKの最大値・最小値の変動幅は:
中央値を約30,000nTとして変動幅は約30nTであり、0.1%に過ぎません
磁気圏の大きさからして地磁気の変動幅0.1%を論ずるのはスケールが違い過ぎるように思えるのですが、かといって、電離圏の日本におけるJST9時頃のTEC値ミニマル出現動作から柿岡KAKでJST9時台に北方磁場強度最小が観測される説明が出来ているのか?というと、
それは未だである
と思えるのです
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です