7月度その7:USGS低緯度SJG/GUA地磁気波形とフーリエパワー・スペクトル(7月1/2/3日)
図1:USGS観測点
サンファンは一番右側、グアムは一番左側に見えます
図2:観測点の磁気赤道上磁力線高度と地軸赤道上高度
▲が磁気赤道上、▲が地軸赤道上です
SJG:615km(磁気赤道)、572km(地軸赤道)
GUA:24km(磁気赤道)、 22km(地軸赤道)
図3:柿岡K-index 7月1/2/3日
K-indexは2または3と極めて静穏な7月1/2/3日です
図4:SJG地磁気波形 変化分
振れ幅は最大で約35nTといった所でしょうか
図5:SJG地磁気波形 絶対値
SJG北方地磁気強度は平均で約26,375nT程度です
図6:SJGフーリエパワー・スペクトル
しっかり綺麗な24h成分にエネルギーが集中しています
図7:GUA地磁気波形 変化分
振れ幅は約75nTでしょう、SJGより大きいです
図8:GUA地磁気波形 絶対値
GUA北方磁場強度の平均は約36,000nT程度で、今回の観測5点(BRW/CMO/BST/SJG/GUA)では一番大きいです
これは低緯度ほど北方磁場強度は増大する傾向にあるためです
図9:GUAフーリエパワー・スペクトル
図6のSJGに比べ12h成分が少し強く出ています
考察:
1.SJGとGUAの考察は終えたばかりで、
7月度その2:北方磁場強度シリーズ ➡ 低緯度グアムGUAとサンファンSJGの北方磁場強度がLT昼間に最大を示す原因は? ➡ 酸素やオゾンの磁気モーメント !!! - なぜ地球磁極は逆転するのか?
⬆ に述べられており、現時点の結論は、
a:太陽光により酸素、酸素イオン、オゾン等の常磁性分子_磁気モーメントが活性化し磁場強度が増加してLT昼間に磁場強度が増大アップシュート凸波形を形成する
b:電子ジャイロ運動による背景磁場の減磁効果はないだろう(この高度では)
であって、この結論の問題点は、
2.GUA高度の24kmはともかく、SJG高度の615kmまで電子ジャイロ運動を否定しても大丈夫なのだろうか?です
と申しますのも、電子ジャイロ運動はドリフト運動と同期をとって動作しリングカレントを形成するからです
リングカレントが615kmまで形成されない、というのはチョット苦しいのではないか、という事です
3.そこで解決策として、
電子ジャイロ運動は背景磁場の減衰を促すが、ドリフト運動によって流れるリングカレントは地球磁場を増加させるので、全体として減磁効果はない、
とするものです
4.これですと電離層100km程度からリングカレント(ペターソン電流)が流れるモデルと一致し、かつ、SJGやGUAにおける地磁気波形はアップシュート凸である事を説明致します
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です m(_ _)m