なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

12月度その11:番外編 ➡ 地磁気の世界レベルでの減衰と日本における増加!?

さて、番外編です

地磁気は世界レベルで見れば減衰、日本で見れば増加、はよく知られている所だと思います

が、その辺りを簡単にご紹介です

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

 

1.地磁気は減衰している!

まずは、

地球の磁気は年々弱まっている…特に南大西洋の「異常帯」で、衛星やISSなどに悪影響 | Business Insider Japan より、

図1:南大西洋・ブラジルとその沖で地磁気が減衰

youtu.be

白い点は、人工衛星放射線(太陽風)によってメモリーエラーを起こした事を示すマークで、青く示されたブラジルとその沖に集中している

これは通常は、地球磁気圏が太陽風をガードするのであるが、地磁気が弱まっている為にブラジルとその沖はガードしきれていない状況を示している

通常、人工衛星は常時移動しており移動しながらメモリ・エラーを起こした位置を発信しているので、同じ衛星が何回も発信している、と思われる

静止衛星は赤道上で、高度35,786kmと決まっている(ジャスト赤道上での白丸はゼロだと思う)

黄色から赤は、磁場が強く太陽風を磁気圏がガードしている領域を示し、日本は黄色から赤の領域である

 

疑問:

ここで、疑問が発生しました!

図1で両極地は赤いのですが、白点が多数発生しています

赤は48,000nT程度を示していますから、かなり強い磁場です

何故でしょうか?

一つの可能性ですが、この磁場強度は全磁力 F を示しているでしょうから、両極地で F はほとんど Z 方向となり、地表に向かうベクトルとなるので太陽風を遮断出来ない、が考えられます(太陽風と直交する F が太陽風を効率よく遮断する)

即ち、赤道・低緯度・中緯度では、太陽風プラズマは磁力線にジャイロ運動して巻き付く(トラップされる)のですが、それら太陽風プラズマは磁力線によって高緯度に運ばれ、磁力線に巻き付いて地表に落ちて来る(白い点を作る!)

要するに、極地における白い点は、オーロラ発光と同じ原理なのだ!

オーロラの場合は、バンアレン帯の内帯と外帯に挟まれた磁力線にトラップされた太陽風プラズマ(恐らく陽子群)がオーロラ発光させている(私見です)

尚、人工衛星ですが、南北に周回する衛星もあるハズなので、白点の測定は充分可能でしょう

 

 

2.日本において地磁気は増加している

さて、国土地理院さん 地磁気を知る | 国土地理院 より、

図2:

であって、

気象庁さん 地磁気観測所|観測資料|地磁気永年変化 より

日本における観測点が示され「柿岡・女満別・鹿屋・父島」のデータが開示されています(日本はDHZF表示方式、カナダ・米国はXYZF方式)

図3:偏角Dの永年変化

https://www.kakioka-jma.go.jp/obsdata/am/am_d_all_all_ja.png

偏角Dが水平分力を北方成分と東方成分に分離します

 

図4:水平分力 H の永年変化

https://www.kakioka-jma.go.jp/obsdata/am/am_h_all_all_ja.png

水平分力は、上がる所あれば(柿岡、父島)下る所あり(女満別、鹿屋)です

 

図5:垂直分力 Z の永年変化

https://www.kakioka-jma.go.jp/obsdata/am/am_z_all_all_ja.png

鉛直成分 Z は、どこも大きく増大している事が分かり、

最終的に全磁力 F は、この Z が寄与して増加、となります

図6:全磁力 F の永年変化

https://www.kakioka-jma.go.jp/obsdata/am/am_f_all_all_ja.png

鉛直成分 Z が何故増加するのか?と言うと、それは地磁気北極がカナダ北部からシベリアに移動しているからであり、バイカル湖北部に強い磁場が形成されつつあるからです

 

北極圏の「北磁極」の位置が急激に移動 年間55kmの移動。カナダ方面とシベリア方面で綱引き。シベリア側に引き寄せられているという。原因不明、ナビにも影響(Natonal Geographic) | 一般社団法人環境金融研究機構

によれば、

National Geographicによると、北極圏にある「北磁極」が急速に移動しているという。

であって、

地球上で磁力線が鉛直になる場所を磁極といい、北側にあるものを「北の磁極」という。北の磁極はじっとしていたためしがない。地球内部の「外核」を流れる液体の鉄に影響されて、過去100年ほど、北磁極は真北に向けてじりじりと移動してきた。ところが最近になって、専門家は異変が起こっていることに気が付いた。北磁極が急にスピードを上げて移動し始めたのだ。なぜなのかは誰にもわからない。

この「急にスピードを上げて」がカナダ北部からシベリアに向かう北磁極の移動です

 

 

3.日本における地磁気強度表示は?

最後に、日本における地磁気強度表示について、です

例えば、

図7:柿岡 K-index 2023年12月1日から5日UT

この図を出しておきながら、何故柿岡の地磁気変化グラフを出さないのか?と思われた方もおられたかと思います!

それは、柿岡の地磁気変化データには暫定値と確定値がありまして、確定値は1ヶ月後に確定開示されるのです(1ヶ月後にダウンロード可能となる!)

暫定値は一日単位の表示であり、かつグラフで表示されるだけです、図2で示すデータ形式はダウンロード出来ないようになっています、要するに1ヶ月間はダウンロードするな!と言っているように私には聞こえます

ですから、1ヶ月経てばダウンロードできますので、その際には女満別・柿岡・鹿屋・父島4ヶ所の北方地磁気強度変化のグラフが出せる事になります

何か、ありますかね、出したいグラフ?

 

 

 

コメントバック

リオ同志(id:ballooon)!

コメントありがとう御座います、感謝!

 

>ブラジル付近は異常に地磁気が低いんでしたね!

そうです

磁気赤道のラインが、ブラジル近辺では南半球側に食い込んでいるんは、

それが原因です

 

>メモリーエラーを測定する人工衛星でしょうか?なんか可哀そうな役目ですね(^^;)?

違います、衛星は普通に何らかの役目(ミッション)を行っています

その際、信頼性確保の為、常にメモリーエラーが発生したかどうか、監視しています

信頼性確保の為には「多数決論理」を採用しています(通常、衛星では)

それは、メモリーを3重化して(同じ動作を3並列に行わせて)3つとも同じ結果になれば特に問題なし、2対1になれば2の方の結果を採用する、という多数決論理を入れます

2対1になれば「メモリーエラー検出」ですから白丸信号を発信しているのです(と思います)

 

>柿岡のデータって1900年から取ってるんですか?なんかすごい歴史ですね?1920年前後だけ抜けてますね?ん~・・1929年の世界大恐慌以外何の歴史も頭に出てきません(^^;)

みないですね〜

 

以上でした

コメバック終わり

 

 

 

 

 

以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました

感謝です